遺言執行者の選任はどんな場合でも必要と言うわけではありません。
例えば、「相続人Aに甲不動産を相続させる」といった遺言では、Aが単独で、甲不動産の相続による所有権移転登記ができます。
また、「知人Bに乙不動産を遺贈する」といった遺言では、Bと相続人全員が共同して、乙不動産の遺贈による所有権移転登記ができます。しかし、共同相続人が協力してくれない場合などがあるため、遺贈の場合は遺言執行者を選任しておく方が良いでしょう。
遺言執行者の選任が必須となるケースは次の2点です。
- 子供を認知する(民法第781条2項、戸籍法第64条)
- 相続人の排除または排除の取消しをする(民法第893条、894条)
これらの場合に遺言書で遺言執行者が選任されていない場合は、家庭裁判所に遺言執行者選任の申立をしなければなりません。
遺言執行者は、認知では就任の日から10日以内に認知の届出を役所にし、相続人の廃除又は排除の取消しでは就任後遅滞なく家庭裁判所に審判の請求をします。
これらの行為は、相続人が増減し他の相続人と利害が対立するため、必ず遺言執行者が行うように法で定められています。
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司法書士 鎌手博哉
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